(シカゴ発 10月28日オフィス・ファウンテン発信 ファウンテン・メディア・チーム ローレンス綾子 山中泉)
(ニューヨーク・ポスト紙 10/29号 参照)
民主党政治家と取り巻きメディアは、「米最高裁が大学入学選考時の少数人種(この場合黒人を指す)の優遇を違憲とするならば、大学の多様性が失われる」と警告を発している。
彼らが発している警告に騙されてはいけない。“キャンパスの多様性”という美辞麗句は、「逆差別を正当化するために」利用されてきたに過ぎないからだ。
10月31日、最高裁でStudents for Fair Admissions(以下SFFA「公平な入学選考を求める学生たち」)対ハーバード大学院長と教員の口頭弁論が行われる。SFFAは、ハーバードや他の大学で、白人やアジア人の志願者より学力の低い黒人の志願者が、「多様性の推進」という名の下に優遇されていると主張している。これらの黒人学生は、隔離されたキャンパスライフを送っていて、寮も、学生活動も、食堂も別。自分自身の人種に関するクラスを受け、卒業式まで別に行われる。
別枠の入学選考基準で入ってきた黒人生徒らは、他の人種との関わりがほとんど無い。ハーバード大学と、ブラック・ハーバード大学が存在しているのだ。イエール大も同様で、黒人学生は全く別のキャンパスライフを送る。
悲惨なのは、入学に際して最重要の基準である「黒い肌」を持たないゆえに入学を拒否された優秀な学生たちだ。アファーマティブ‘・アクション(積極的差別是正措置)は全ての人種に優しい措置では決してない。
今回の裁判では、「多様性」という名のもとで、優秀なアジア系米国人が不当に入学を拒否されるハーバード大の非情かつ不公平な選考方法についての聴聞が行われる。「これらの生徒たちへのハーバード大の仕打ちは許されるものではない」とSFFA。
ハーバード大では、「人格評価」という曖昧な指標を使って、意図的に優秀なアジア系アメリカ人志願者の点数を引き下げている。ハーバードの同窓生が面談をして非常に高い評価を提出しても、入学事務局がそれらの評価を書き換え「覇気がない」とか「面白みに欠ける」とされ、入学ラインに満たないほどの低い点数に書き換えられてしまう。
現在、多くの他の大学が、アジア系アメリカ人に対してハーバード大と同様の措置をとっている。プリンストン・レビュー予備校では、アジア系の顔立ちの場合は、受験申込時に写真を送ったり、出自を語らないようにと教えている。これが優遇されている少数派に起きていたなら、国をあげての大騒ぎになっていることだろう。
裁判に提出された陳述書によると、アジア系アメリカ人に対するこれらの差別は、彼らを落ち込ませ、劣等感を助長しているという。「彼らは、高校で特別に高い成績を取らなければ合格できないというプレッシャーから、日夜勉強し健康を害するまで自分自身を追い詰めています。」アジア系アメリカ人は、他の人種よりも不安や鬱病を抱える学生が多く、自殺未遂の確率も1.6倍だという。これが黒人の高校生に起きていたとしたら、議会聴聞会が招集され、デモ行進が行われていることだろう。
一方左派は、これは前例を覆すものだと抗議している。2003年、ミシガン大のガッターvs.ボリンジャーのケースでは、「多様性は教育面で有益である」として、大学は選考時に特定の人種を優遇しても良いという判決が下された。
高等教育機関の「多様性推進に尽力」は欺瞞であることは間違いない。米公民権委員会のメンバーであるゲイル・ヘリオットとピーター・N・カーサナウは、裁判で「人種優遇の目的は、異なる人種や生い立ちの生徒と交流する環境をつくり出すためのはず。キャンパス内に隔離地を設けことでその目的を達成しようとするのはおかしな話だ」と裁判で述べた。
それでも民主党上院議員15人と民主党下院議員65人は人種優遇の保護を求める文書に署名し「多様なキャンパスが、すべての生徒に質の高いバランスの取れた教育を提供することができる」と主張している。
彼らが本気でそれを信じているとしたら、議会にいる民主党は生徒を隔離する大学への連邦政府の助成金を否認するべきだろう。彼らは黒人有権者にへつらっているに過ぎない。今でも人種優遇を支持しているのは黒人の有権者だけだという調査結果も出ている。
ほとんどのアメリカ人は、人種に関係なく平等な扱いを受けたいと願っている。故アントニン・スカリア判事はかつてこう言った。「政府の目に映るのは一つの人種だけだ。『アメリカ人』という名の。」
New York Post 記事