7月、ミルウォーキーでの共和党党大会に参加してトランプさん始め大勢の上下院議員のスピーチを聴いた。
暗殺未遂後の驚異の登場スピーチをしたトランプは圧巻だった。あれで共和党は一つにまとまった。
党大会でも会場でも大勢の共和党員にインタビューしたがほぼ100%J D ヴァンス上院議員の副大統領指名に対して歓迎していた。これ以上ない選択だという声が大きかった。彼のスピーチは本会場と小さな朝食ミーティング会場で2回生で聴いた。
私は2021年『「アメリカ」の終わり』(忘れられたアメリカ人の心の声を聴け)という本でこのJ D ヴァンスの生まれたオハイオ州の寂れ果てた以前栄えた街を第1章で詳しく描写している。
今のアメリカを語る上でマスコミなど表面には出てこない”忘れられたアメリカ人”の存在が重要だと考え取り上げたのだ。
本の中で、ヴァンスの生まれた街ミドルタウンよりさらに寂れた街ヤングタウンを描写した。そこは全米でも最悪の貧困率、生活保護受給率、失業率、ドラッグやアルコール中毒者数を持つ街だった。ヴァンスの生まれた街もそんな街の一つだった。
アメリカには東のペンシルベニアから中西部オハイオ、ミシガン州とかつては鉄や製造業で栄えた街から多くの工場が中国へ移転していき、寂れ果てた地域が数多く存在する。
これら東西に長く続く地帯をラストベルト(錆びたベルト地帯)と呼ばれ多くの白人低学歴低所得者層が住んでいる。彼らのほぼ大半は以前は民主党支持だった人たちだがトランプは2016年前丹念にこの地域を遊説でまわり「ブッシュ、クリントン、オバマたちはウォール街国際金融資本と手を組みどんどん製造業をこのエリアから中国やメキシコに移転していって地域の経済基盤を根こそぎ破壊した。わたしはこの製造業をもう一度呼び戻す」と公約し勝利した。
今回の共和党大会でJ D ヴァンスを副大統領候補としてトランプが選んだことでいくつかの動きが感じられた。
ヴァンス副大統領候補選定の利点
① 39歳というトランプより数世代若い次期大統領候補を選んだ
② トランプの弱点と言われた若者層の取り込みと、大統領選挙の鍵を握るのはスウィング・ステートだがこのいくつも重要な州の中心にオハイオ州はくる。つまりここの白人労働者階級へ強いアピールができる
③ 共和党はすでにトランプの次の世代交代へ向け準備に入った。
ヴァンスは2028年大統領選挙の時まだ43歳、それまで副大統領候補として修行ができる。その後の8年、つまりトランプ4年入れ12年の長期トランプのアメリカ・ファースト政策を続けることが可能になる。
④ トランプの息子のドン・ジュニアやエリック・トランプ他多くの40代中心の次期共和党指導者が育ちつつある。
トランプは2016年大統領になった時、それまでの共和党の地方のお金持ちの党からミドルクラス、労働者階級、黒人やヒスパニックが多いマイノリティーの党に作り変えた。
ヴァンスがどんなところからでてきた人か興味ある人はぜひ『「アメリカ」の終わり』(方丈社)をお読みください。