元国連大量兵器査察官スコット・リッター氏のトランプ・プーチン会談のロシア側の見方

ロシア滞在から戻った元国連大量兵器査察官スコット・リッター氏のトランプ・プーチン会談のロシア側の見方

ファウンテン倶楽部

以下は、動画 「Scott Ritter: Alaska Viewed From Moscow」 の内容をもとにした、Glaspによる日本語サマリーです。

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ロシアにおけるアメリカ観

スコット・リッターは2週間のロシア滞在を終え、現地で得た印象を語った。彼はロシアの主要なインフルエンサーや代替メディア関係者と交流し、ロシア人がアメリカとアメリカ国民をどう見ているかを直接聞き取った。ロシア人はアメリカ国民とアメリカ政府を明確に区別しており、アメリカ国民に対しては好意的な感情を持っている。彼らは「勝者」を好み、アメリカを依然として強い国として尊敬している一方、ヨーロッパに対しては軽蔑の念を抱いている。特に「ドイツ人の大半が侵略されても戦わない」といった世論調査の結果に失望しており、それが欧州への尊敬を失わせている要因だという。

アメリカに対しては「分断が深い国」との認識を持ちつつも、アメリカ人が自国のために戦う姿勢を評価している。ただしアメリカ政府そのものには強い不信感を抱いており、とりわけ現在の政策や「ディープステート」に対する理解は非常に深い。軍産複合体や民主党による法執行機関の政治利用などを理解しており、政府よりも国民に共感を寄せている。

トランプへの期待とロシアの立場

ロシア人の多くは「トランプ個人」と「アメリカ政府」を完全に切り離して見ている。トランプは強さを持ったリーダーと評価されており、彼がロシアとの和平や米国経済を立て直そうとする姿勢には支持を示している。ただし、彼を取り巻く側近や政府関係者の多くは彼のビジョンを共有していないと考えており、その点を非常に懸念しているという。ロシア側は「我々はトランプを支持している、必要なら頼ってほしい」とのメッセージを繰り返し発していたとリッターは述べている。これは、トランプ個人への信頼と、ワシントンの「体制」への不信を象徴する態度であった。

アラスカ会談の衝撃とその影響

リッターがロシアに到着した時期、トランプは当初「50日以内に停戦に応じなければ地獄を見せる」と強硬姿勢を打ち出していたが、それを「10日」に短縮していた。到着当日がまさにその「最後通告」の日であったが、突然プーチンとトランプがアラスカで会談するというニュースが入ったことで、情勢は一変した。ロシア国内では「なぜプーチンがリスクを冒して米国と会談するのか」という懸念が一部に広がったものの、同時にリッター自身がロシアメディアで積極的に発言したことが大きな影響を与え、情報面で「原子爆弾級の効果」を生み出したという。

プーチンは一貫して「ロシアの立場は揺るがない」と強調しており、トランプが現実を理解すれば必ず正しい選択をするだろうとリッターは考えていた。実際、アラスカでの会談後、トランプは停戦要求を撤回し、長期的な和平プロセスに軸足を移した。これはプーチンが提供した詳細な歴史的資料や戦況データに基づく説得の成果だとされ、トランプにとっても「ロシアの現実」を直視する契機になった。

欧州と安全保障保証の問題

会談後、欧州諸国やウクライナは「安全保障保証」を強く主張したが、ロシアはこれを全面的に拒否した。ラブロフ外相は「ウクライナの将来に欧米の軍事的関与は認められない」と明言し、ロシア自身が安全保障の保証人になると強調した。欧州は米国の関与を期待しているが、トランプは「米国はその役割を担わない」と伝えており、結局は欧州側の「願望」にすぎないとリッターは指摘する。戦後のウクライナはロシアが選んだ政権により統治される可能性が高く、それが「最大の安全保障保証」となるだろうというのがロシア側の認識である。

ガザ戦争とネタニヤフ批判

番組終盤ではイスラエル問題にも話が及んだ。トランプが「ネタニヤフは戦争英雄」と発言したことについて、リッターは強く批判。現在のネタニヤフは汚職疑惑や戦時指導の失敗で追い詰められており、ガザ侵攻の計画は「絶望的な延命策」に過ぎないと語った。イスラエル国内では予備役の拒否が相次ぎ、兵員不足が深刻化している。ガザの完全占領は「ベトナム戦争のような泥沼」に陥ると予測され、倫理的にも国家存続にとっても破滅的だと断言した。

要するに、この対談を通じてリッターは「ロシアはアメリカ国民とトランプ個人を信頼しているが、アメリカ政府と欧州は信用していない」という視点を明らかにし、アラスカ会談が国際政治における大きな転換点となったことを強調した。さらに、イスラエルの現状を「国家を破壊する愚策」と断じ、世界的なパワーバランスの変化を警告している。

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