ジェフリー・サックス教授の最新インタビュー


私も長くフォローしているナポリターノ判事のジェフリー・サックス コロンビア大学教授の見方、参考になります。

(ファウンテン倶楽部 中村哲也氏投稿記事より)

Judging FreedomにJeffrey Sachsが登場。以下は、「Prof. Jeffrey Sachs: If Trump Says No to War and Netanyahu Says Yes…」(2025年4月21日放送)の日本語サマリーをGlaspを用いて、作成しました。

1. フランシスコ教皇の死とその世界的影響

番組の冒頭で、アンドリュー・ナポリターノ判事は、ローマから出演したジェフリー・サックス教授を紹介します。この日、フランシスコ教皇の死が発表され、サックス教授はこの出来事を「世界的に重要」と位置づけます。教皇は道徳的権威であり、平和の使徒であったと称えられ、宗教を超えた信頼と尊敬を勝ち取ってきたことを強調しました。イスラム教やキリスト教の他宗派との対話を深め、謙虚さと奉仕の精神に基づいたリーダーシップを貫いたと語ります。

特に印象的だったのは、フランシスコ教皇が平和のために行った数々の行動です。戦乱の地南スーダンにも足を運び、平和を訴え続けました。また、13世紀の第5回十字軍の最中、聖フランチェスコがイスラム軍司令官の陣営に赴き、戦争の最中にもかかわらず一晩中平和について語り合ったという逸話に重ね、教皇の精神性を強調しました。教皇の回勅『Fratelli Tutti(すべての人は兄弟)』は、こうした対話の精神を現代に再構築しようとするもので、イスラム教スンニ派の大指導者アル=アズハルの大イマームに捧げられたことを紹介しました。

2. ネタニヤフ政権と米国の対イスラエル政策の乗っ取り

話題は地政学に移り、サックス教授は、イスラエルのネタニヤフ首相がイランへの攻撃を画策し、アメリカを巻き込もうとしていると警告します。幸いにもドナルド・トランプ前大統領はそれに抵抗しているとしつつも、サックスは米国の外交政策が30年にわたり、イスラエル・ロビーによって支配されてきたと強く批判します。このロビーはユダヤ系だけでなく、キリスト教シオニストからの資金提供も含まれており、米国の政治家たちは「金で買収されている」と断言しました。

サックス教授は、ネタニヤフがアメリカを戦争に巻き込んできた過去の事例を列挙しながら、今回のイラン戦争の危険性は特に深刻だと語ります。なぜなら、イランはロシアとの同盟関係があり、攻撃されれば広域戦争に発展するリスクがあるからです。ネタニヤフ政権は極端で暴走する国家であり、それを支えるワシントンの腐敗がこの危機を加速させていると警鐘を鳴らしました。

3. 安保会議に“イスラエル国防省出身”を配置した衝撃

サックス教授が最も衝撃を受けたのは、米国家安全保障会議のイラン・イスラエル担当に、イスラエル国防省出身で二重国籍の女性、ミーラヴ・セレン氏が任命された件です。これは米国の主権と国家安全保障を冒涜する事態であり、「完全に不適切」と糾弾しました。

彼女はテッド・クルーズ上院議員のスタッフでもあった過去があり、クルーズ氏は選挙資金として100万ドル超を親イスラエル団体から受け取っていると指摘されます。このように、米国の外交政策が金で売られている現状を「スキャンダル」と称し、“アメリカ・ファースト”の原則から逸脱していると非難しました。

4. ローマで進むイラン交渉と戦争回避のチャンス

サックス教授は、米国とイランの非公式な和平交渉がローマで進展していることを紹介します。トランプ側の代表スティーブ・ウィットコフがイランのアミール=アブドッラヒアン外相と面会し、ウラン濃縮の技術的合意に近づいているとの発表があったとのことです。

これはネタニヤフの主張する“ウラン濃縮ゼロ”政策とは真逆の進展であり、彼の立場を根底から崩すものです。サックスは「イスラエルは米国の支援なしに戦争を起こせない」とし、トランプが外交を貫けば戦争を回避できると述べました。さらに、ウクライナ戦争におけるトランプの姿勢(戦争からの撤退)も正しいと評価し、イラン政策にも同じ論理を適用すべきだと提言しました。

5. パレスチナ問題と国際社会の圧倒的支持

次にサックス教授は、パレスチナ国家承認について語ります。現在、国連安全保障理事会におけるアメリカの1票の拒否権だけが、パレスチナの第194番目の国連加盟を阻止していると指摘します。昨年の投票では、12か国が賛成、2か国が棄権、1か国(米国)が拒否権を行使し、それが平和の妨げになったと非難しました。

サックスは、国連総会、国際司法裁判所(ICJ)、アラブ連盟、イスラム協力機構(OIC)など、世界中のほぼすべての国家がパレスチナ国家の樹立を支持していると述べます。イスラエルとアメリカ、そして一部の小国だけが反対していると指摘し、これは国際法違反であり、暴力と戦争犯罪を助長する立場だと断言しました。トランプが拒否権を撤回し1票を変えるだけで、世界は平和に向かって動き出すと力強く語ります。

6. 米中関係と経済的自滅行為としての関税政策

番組の最後にサックス教授は、米中貿易関係と関税政策についても批判を展開します。彼は、トランプ政権の関税政策を**「経済的な自傷行為」と断じ、アメリカは金融市場の混乱、金利上昇、ドル安**に見舞われていると述べます。

中国はアジア諸国との経済連携を強化しており、アメリカに媚びる必要はないとし、むしろアメリカが状況を見直さざるを得なくなるだろうと予測しました。サックスは、アメリカは自己破壊的な政策によって孤立を深めており、他国はそれに追随しないと断言しました。

結論

本インタビューを通じてサックス教授は、米国外交の主権喪失と対イスラエル従属の危険性、そして平和への現実的道筋を鋭く論じました。彼は、トランプが3つの重要な問題――イラン、ウクライナ、パレスチナ――において、米国の国益を最優先すれば歴史的転換点を作り出せると提言します。そしてそのためには、外国ロビーではなく、アメリカの民意と世界の声に耳を傾ける勇気が必要であると結びました。

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