財務長官スコット・ベッセントという男

西川修一さんの素晴らしい投稿をシェアいたします。

メモ。金利が上がっちゃったのは計算外だったようですが。

「財務長官スコット・ベッセントという男」

以下、引用&和訳↓

「トランプ政権で財務長官に指名され、現在は70カ国以上との関税交渉を主導しています。

「彼の名前を聞いてピンとくる方もいるかもしれません。1992年、ジョージ・ソロス氏とともにイングランド銀行を崩壊寸前まで追い込んだ張本人です」

元ポスト↓

「そんな彼が、今度は6000億ドル規模の大胆な経済戦略で、世界の貿易構造そのものを変えようとしています。

「では、なぜトランプ氏は彼を財務長官に選んだのか――その理由には深い戦略があります。

「トランプ政権に加わる以前、スコット・ベッセント氏はジョージ・ソロス氏とともに名を馳せていました。

「ソロス氏といえば、市場の暴落や通貨の崩壊を正確に予測し、莫大な利益を上げてきた伝説的な投資家として知られています。

「1992年、ベッセント氏とソロス氏は英ポンドの下落に賭け、一晩で10億ドル以上の利益を叩き出しました。

「その成功の裏には、どのような戦略があったのでしょうか?

「彼らは、イギリスが外国通貨を使って自国通貨であるポンドを買い支えることで、その価値を人為的に引き上げていると見抜いていました。

「しかし、やがてイギリスがその資金を使い果たすと、ポンドは一気に15%も下落しました。

「この出来事によって、スコット・ベッセント氏は「他人が見落としていた本質を見抜いた男」として一躍有名になりました。

「そして彼は、次なる一手を打ちます──。

「2015年、ベッセント氏はソロス氏から45億ドルもの出資を受けて、自身のヘッジファンドを立ち上げました。

「そのファンドは初年度に13%という驚異的なリターンを記録し、順調なスタートを切りました。

「しかし、トランプ氏が彼を起用したのは、その運用実績が理由ではありませんでした。

「トランプ氏が本当に関心を寄せていたのは、まったく別の資質だったのです──。

「トランプ氏がベッセント氏に求めたのは、アメリカの製造業を関税によって再建するという大胆なビジョンでした。

「最近のタッカー・カールソン氏とのインタビューで、ベッセント氏は自身の急進的な経済プランについて語っています。

「彼はまず、世界の市場から5兆ドルを吹き飛ばした関税政策を堂々と擁護するところから始めました。

その理由とは──?

「中国との自由貿易や大規模な政府支出では、もはや機能していなかった」と、ベッセント氏は率直に語りました。

「市場の混乱については一時的なものだと一蹴し、1980年代にレーガン大統領が20%の金利を大胆な政策で正常化させた事例になぞらえました。

「そしてベッセント氏は、誰もが驚くような事実を明かしました──。

「アメリカの上位10%が、株式全体の88%を保有しているんです」と、ベッセント氏はタッカーに語りました。

「その次の40%が持っているのはわずか12%。下位50%に至っては、株どころか負債しかありません。」

「つまり、市場の下落で本当に打撃を受けるのは富裕層だけであり、関税政策によって恩恵を受けるのは、むしろ一般のアメリカ国民だというのです。

「では、具体的にどうやって恩恵がもたらされるのでしょうか──。

「関税政策は、アメリカにとって次の3つの大きな利益をもたらすとベッセント氏は述べています:

「工場生産と雇用の国内回帰海外での生産コストが高騰することで、企業は製造拠点をアメリカに戻すインセンティブを持つようになります。

「年間3,000億〜6,000億ドルの税収増この財源を活用することで、中間層の減税が可能になります。

「交渉上の強力なカードになる他国に対し、アメリカ製品への関税引き下げを迫る外交的な圧力手段となります。

「そして、最終的な目的とは──?

「関税の本当の目的は、それ自体を不要にすることです」と、ベッセント氏は語りました。

「海外の工場がアメリカに移転してくれば、関税収入は減るかもしれませんが、その代わりに新たに生まれるアメリカ国内の企業からの税収がそれを補うのです。

「つまり、彼の構想は単なる貿易戦争ではなく、アメリカ経済の構造そのものを再構築する壮大なビジョン なのです。

「これは、完全な経済のリセットだといえます。

「では、なぜベッセント氏はリセットを望んでいるのでしょうか?

「彼は、COVIDパンデミック時に政府が過剰な資金をばらまいたことが根本的な問題だと見ています。

「その結果、株価は実体経済と乖離して不自然に膨らみ、一方で安価な海外製品の流入により、米国内の工場は次々と閉鎖に追い込まれました。

「ベッセント氏の解決策は、シンプルでありながら過激です──。

「ベッセント氏は、政府の人員と支出を削減し、その分、民間セクターの力を引き出すことを目指しています。

「バイデン政権下で、民間セクターは実質的に景気後退状態にありました」と、彼はタッカーに語りました。

「私たちは政府の規模を適正化し、ビジネスの力を解き放ちます。」

しかし──それほど大きな転換には、当然リスクも伴います。

果たして、そのリスクとは?

「景気後退が起きないとは言い切れません」と、ベッセント氏は率直に認めました。

「小売業やサービス業、初級職に従事する中間層のアメリカ人にとっては、新たな製造業の雇用が生まれるまでの間、一時的なレイオフ(解雇)に直面する可能性もあります。

「そして彼は、その過程で生じる痛みをよく理解しています──。

「ベッセント氏は、サウスカロライナ州の小さな町で、母親と不動産業を営む父親のもとに育ちました。

「父親の不動産業が浮き沈みの激しいものであったことが、彼に若いうちから働く動機を与えました。

「そんな彼が今、賭けているのは――

「人々が家を持ち、借金を返済できるような“良い仕事”を生み出すこと」。

「そしてその挑戦は、決して失敗が許されないほどの重みを持っています。

「ベッセント氏のプランが成功するか否かによって、アメリカの中間層全体が再生するのか、それとも崩壊してしまうのかが決まる可能性があります。

「彼が挑んでいるのは、1980年代の減税と規制緩和以来、最も劇的な経済の再構築であり、当時はそれが数十年にわたる成長のきっかけとなりました。

「そして注目すべきは、政策面だけではありません。彼の影響力そのものが、革命的な広がりを見せているのです──。

「彼の影響力は、単に市場に対する深い知識だけから生まれたものではありません。

「緻密な分析レポートを執筆し、鋭い洞察に満ちたインタビューで語り、そして大胆な予測を次々と的中させてきた――その実績こそが、彼の信頼を築き上げてきました。

「彼が口を開けば、市場も政治家も耳を傾けます。

「しかし、彼を真に特別な存在たらしめているのは、実はそこではありません──。

「ベッセント氏は、従来の財務長官とは一線を画しています。

彼は、メッセージを伝える手段として伝統的なメディアを捨てた、最初の財務長官の一人です。

「記者会見や新聞インタビューの代わりに、彼はタッカー・カールソンや「All-In」などのポッドキャストに出演し、複雑な政策をわかりやすく説明しています。

「このような発信スタイルは、金(ゴールド)よりも価値があるとも言えるのです。

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