昨日、世襲政治家に触れたエックスを投稿したらあっという間に一万を超える閲覧数があり有難いこと。
この問題でいくつか考えを述べたい。
自民党の約3割は二世、三世などの世襲政治家。地盤、看板、カバン(親のカネ)が最初から揃っているので、高い確率で当選する。当たり前だろう。つまり一般の地盤も看板もカバンさえない日本の政治を変えたいという志の人間からこの3割の人間たちは”機会を奪っている”ということだ。この事実をマスコミはまるで報道しない。
30年近く日米を往復し日本の惨憺たる政治状況を見てきた。アメリカでも世界にも類を見ないほど日本の世襲政治体制はひどいということを日本だけにいると気づかなくなる。昔から当たり前だと思っているので感覚が麻痺しているのだ。
歌舞伎や能などの伝統芸能の世界での世襲制度は、幼少時から跡目を継ぐよう厳しい修行をさせられ一人前になるという日本の伝統芸能には欠かせない良さはある。民間の会社なども親の背中を見て会社を継ぐ経営者はたくさんおり私は民間会社の世襲については一概に否定をしない。
だが、政治家は別だ。彼ら地盤、看板、カバンを持って生まれ、加えて地元の後援者組織もそのまま引き継ぐ。これが大きい。最初から組織戦で圧倒的に優位なところから選挙戦に入っていく。一般の志ある政治志向の人にはほぼチャンスがない。
また日本の選挙システム自体が地方・国政選挙とも高い供託金を積まなくては選挙に参加すらできない。また、現行の制度は大政党、既存政党に圧倒的に有利にできている。これは自分が昨年衆議院選挙にでて痛感した。
アメリカでは民主党政権でここ最近アイデンティティ・ポリテックスという言葉がよく使われてきた。これはポリコレなどの言葉と共に日本でも知られ始めた。
これは、本人のアイデンティティ、つまり性別、人種など本人の持っている属性を元に、その人間の判断基準にするという欺瞞だ。そしてその属性の下、それらの人種、性別をベースに候補者を選ぶということが行われてきた。バイデン前大統領は、大統領候補になってすぐ、自分は「女性で、黒人から副大統領候補を選ぶ」と明言した。つまり黒人で女性以外からは副大統領にはなれないということを宣言したのだ。実はこれこそが「人種差別であり、性別差別」であるというのが本質だ。
わたしは世襲というこのシステムは、アメリカ民主党で巻きおこったアイデンティティ・ポリティックスに近いものを感じる。親が代議士であるとか大臣であるとか言うのは、その人間には変えることのできないアイデンティティの一部だ。つまり一般国民とは最初から全く違う土俵からのスタートであるという意味がある。
重要なのは、この弊害は、本人の能力や実力で選ばれるのではなく、そのアイデンティティで選ばれると言う選挙民にとっては悲劇以外何モノでもないということだ。
アメリカでこの実力以外で黒人であるとか、トランスジェンダーであるとか、女性であるというマイノリティであるだけで、社会、学校、軍隊や政府機関まで優先的に採用、昇進が決められてきた事例はいとまがない。私は三冊の本で詳細にそれらのアメリカの現実を書いてきた。
私は日本の伝統的な古典芸能などでは世襲を否定するものではない。
しかし、政治の世界で地方議員、国会議員がこれほど多く世襲議員がいるという世界に稀な国になっているこの現実は日本国民がその弊害に気づき、本来の適性かどうか、また実力主義で議員は選ぶべきだという基本を思い出すことが必要だと考える。
トランプ大統領は真っ先にこのバイデン民主党が進めてきたDEI (多様性、公平性、包括性)という欺瞞を連邦政府の採用、昇進基準から追い出し、全ての政府関連の採用、昇進は本人の実力で決め、”多様性をすすめるため”という人種や性別による採用の廃止を決定し通達をだした。