1980年シカゴに来てから年月がたった。
このアメリカに30年来の親しい友人が3人いる。いや、いたというべきか。その内二人は鬼籍に入った。
3人の共通点は、わたしとほぼ同世代の経営者たち。わたしとは仕事だけでなくプライベートでも様々な慈善活動やNPO活動を行ってきた共通点がある。
近年亡くなった二人の共通点は両方とも若い時から事業に長けていて両方資産家となり家族にも恵まれ富と名声を得ていた。また二人とも自分の健康に絶対的な自信を持っていた。
一人目の友人
その一人はほぼリタイヤだったが若い時からスポーツカーが趣味。何台もスポーツカーを所有していて、とにかく早い車の運転が大好きだったが、最近その車の事故で死亡した。
彼は、熱心なクリスチャンでトランプの熱烈支持者だった。彼の持ついくつかの別荘やキャビンに招かれた時も、この国の現状について議論を交わした。
酒もタバコもやらず食事もオーガニックの素材のものしか口にしない徹底した健康オタク。だが、事故で早逝した。
二人目の友人
もう一人の友人は、前者と違い昨今のアメリカ人には珍しくヘビースモーカーで酒も飲み美食家で名を馳せていた。わたしとは同じ業界であったこともあり、よく米国内でのコンベンション先で会い、彼はその土地の常連のイタリアンやフレンチ、私は贔屓にしているニューヨークやロスアンジェルスの寿司屋などに連れていって、業界の仲間たちとよく飲みよく食べたものだ。
彼は民主党支持で明確な反トランプ派、アメリカの大都会エリートには多いタイプだ。政治的信条がわたしとは正反対のため、アメリカの将来に対してはよく議論になった。
その彼は、肥満のため長く心臓疾患や高血圧、糖尿病を抱えていて、最近心筋梗塞で亡くなった。
三人目の友人
3人目の友人は、わたしと同じく小さな会社を長く経営している小事業主。先の二人は体も大きく押し出しもよい典型的なアメリカ人成功者タイプだったが、彼は生まれながら障害を抱え体も小柄だが、人一倍食事や健康に気を配った生活を送っていた。類稀なインテリジェンスをもった4ヶ国語を話すマルチリンガル。
その彼が、最近ある病に罹り死の直前までいったが無事生還した。
彼は教会に日曜日必ず通う熱心なクリスチャンで、政治的にはこの3人の中では一番わたしに近く、トランプと共和党保守派の応援者だ。トランプ支持で前回もトランプに投票したが、トランプの相手を非難する時の強い口調は好きではないとはっきり言っている。
私の周りの人間たちも共和党、民主党の党員や支持者というよりも、その時々で、オバマに投票した人も、ヒラリーには投票せずトランプに投票したりという人が多い。アメリカには無党派層も多く存在する。
わたしと長い付き合いの3人のアメリカ人の経営者の三者三様の生き様、死に様を見て、最近自分にも残された時間は少ないと感じている。
今までやりたいができなかったこと、やるべきだと思っても理由をつけてやらないことも多々あったが、現在はやれることをどんどんやっている。
また、人間50代、60代にもなったら、自分より若い世代の後押しをして、彼らの成長や成功を助け、社会をよりよい方向に持っていく手伝いをすべきだと考えている。
わたしが尊敬する70代、80代の先輩の何人かが「山中さん、これから我々年配者世代は若い人たちを支援し育てていくこと。それ以上大事なことはないよ」と何度も話をしてくれたことを思い出す。
その一人は、昨年お亡くなりになった英語教育とディベート界の巨星松本道弘先生だった。